2013年 4月 わたくし事ですが・・・「とんび」

日曜劇場「とんび」~何回となく胸と目頭を熱くしたことでしょうか。

このドラマは地域に住む人たちがお母さんを幼くして無くした「アキラ」とその父である「ヤスさん」を中心に寄ってたかってワイワイと暖かいおせっかいでアキラの成長をみんなで見守っていくドラマでした。「地域力」を感じました。

エピソード①
「何で、僕だけお母さんがいないんだ!」と言う幼子アキラに和尚は
「アキラ、お前にはおかあちゃんはおらん、寒い時おとうちゃんに抱っこされても体の前の方はぬくうなる(温う)ほいでも背中は寒い、おかあちゃんがおったら背中の方から抱いてくれる、そうしたら背中も寒うない!でもおまえにはおかあちゃんはおらん、背中はずーっと寒いままじゃ、背中が寒いままじゃ生きるいうんはつらいことよ、寂しいことよ、悲しゅうて悔しいことよ、でもこうしてみんなで手を当てたら、どうじゃ?温いじゃろうか、アキラ、おまえにはおかあちゃんがおらん、ほいでもこげんしてみんなで温めてやる!ずっとそうしちゃるよ!ええか、背中を温めてくれる者がぎょうさんおるんじゃ、それを忘れるなや、のう、アキラ、、、、」

エピソード②
「ヤス、おまえは海になれ!」~これも和尚の言葉ですが、降り続く「雪」を「悲しみ」に喩え次から次へと降る雪はどれだけ降っても海はそれを黙って、知らん顔をして飲み込んでいく。地面にはどんどん雪=悲しみが積もって、雪が溶けた後は地面はグチャグチャになってしまうので「ヤス、おまえは地面になったらいけん、海になれ!」といった訳です。

何故だか理由がつかないことでその現実を受け入れなければならないことは人生の中でたくさんあります。
その中で「ない、できない」ことに焦点を当てるより「あることで代用して生きていく知恵」を私たちは持っています。自分自身の中から出てくる知恵、周りの人たちから借りてくる知恵、暖かな和尚たちのおせっかい~この地域社会に住む人たちのかかわりがとても不器用な父親のヤスさんを助け、子育ては地域での信頼関係と暖かい「おせっかい」で成り立ち、その情けの大切さを感じました。「おせっかい」~していきたいと思います!(「とんび」の文庫は2階にあります。貸し出しています。)

T.Imou