2013年 2月 「ならぬことは、ならぬのです」
大阪市の高校 — バスケット部顧問の教諭が部の主将である高校2年生の男子に体罰。これは暴力になると思われるが、これを苦に生徒が自殺した記事を読んで 胸が痛み、憤りを感じ、彼が可哀想でならない。
この教諭は部をインターハイ出場の常連校にした名監督とされるそうだが、主将の彼を一日に30~40回平手で殴る ~ チームに活を入れるために彼を殴っていたのだろうか?
エスキモーのハスキー犬ではあるまいし、このような鉄拳制裁が今日に至ってもなおスポーツ界に残されていたとは・・ スポーツは本来楽しむべきはずのもの。楽しみは勝つ喜びにつながり、レベルが上がればさらに楽しくなり、結果が付いてくる。
「なでしこジャパン」の選手たちの言動、表情、笑顔に日本中が試合内容やメッセージ、表情に湧いた。
私たちはスポーツの素晴らしさや感動をなでしこからもらった。きつい練習に打ち込む気持ち、強くなりたい!勝ち進みたい!と思う気持ちの根底には 何があったのだろうか?なでしこの監督は鉄拳制裁を加え、彼女たちを強くしたとは誰も感じてはいないだろう。
残念なことにこの名監督は「暴力」を熱心な指導と勘違いした。
もっと驚いたことに、この生徒の自殺後に高校側が行った生徒や保護者へのアンケートに「早く試合をやりたい」「顧問の指導を受けたい」といった内容のものが記事になっていたことだ。 仲間が命を落とした~仲間の「死」を痛めないとは、いったいどういうことであろう?
人の心を持ち合わせない、想像し感じる心が育っていないとしたら、「学校」という教育集団の中で何を学び、育んできたのだろうか?
一番大切な心が育っていない教育の上にどんな学力や知識を乗せても本人を含め、社会が無意味な存在となるであろう。 このような事件が二度と起きないようにと祈ると同時に彼の死を悼む。
T.Imou